共有名義にするかどうかは事前に決める

結婚後の夫や妻の収入はお互いの
共有財産だという考え方があります。

もちろん毎日の生活の中で、
「今日の晩ごはんは夫のお金だ」
「明日の朝食のパンは妻の財布から出した」
「今月の電気代は夫と妻が半分ずつ負担した」
などと細かく分けることはないでしょう。

ところが住宅の購入にあたっては、
「夫のお金」 と 「妻のお金」 とを
しっかり区別しなければなりません。

そしてお互いが資金を出し合えば
共有名義にし、実際にいくらずつ
出し合ったのかという “結果” によって
共有持分を決めることが原則です。

親などから借金をする場合でも、
「夫の借金」 か 「妻の借金」 かを
明確にしなければなりません。

したがって、もし妻が専業主婦で収入がなく、
自分名義の預金や現金などもなければ、
(持分の贈与などを組み合わせる場合は別として)
共有名義を考える余地はないことになりますね。

ただし、専業主婦であっても
親から金銭の贈与を受けたりすれば、
それは 「妻のお金」 として
共有持分を考えればよいでしょう。

売買契約の締結が終わり、残代金を
支払って登記をする段階になってから
「共有名義と単独名義のどちらがよいのか」
というご質問をいただくこともありますが、
「どちらがよいのか」 あるいは
「共有名義にしたいのか、したくないのか」
ということは売買契約を締結する前に
検討しておくべき問題です。

お互いに資金を出し合わなければ
購入できないのなら共有名義にするしかなく、
夫 (または妻) の単独名義にするのであれば、
名義を持たないほうは諸費用分も含めて
一切の負担をしないのが原則。

とはいっても、夫の単独名義のときに、
諸費用の一部を妻の預金から
出したりするケースは多いでしょうけどね。

それが贈与税基礎控除額 (110万円)
以内であれば問題はありません。