自分の家を売りやすいのは買い先行?

中古住宅を検討する買主の立場から見れば、
売主やその家族が住んだままの家より、
空家のほうが隅々までしっかりと
チェックをすることができます。

家具や家電製品などが置かれたままだと、
細かく見ることを遠慮してしまったり、
家の傷み具合や造作の様子を
十分に確認できなかったりして、
その不安感から購入に踏み切れないこともあるでしょう。

「買い先行」で先に引越しをして
空家の状態にしておけば、
購入希望者に物件をよく見てもらうことができるほか、
室内クリーニングや必要個所の補修などをして
印象を高めることもできます。

「疑心暗鬼による大幅な値引き交渉」を
避けられるケースも考えられます。

まるでモデルルームのような、
夢をかき立てるインテリアや家具、
調度品、家電に囲まれ、誰が見ても
素敵な暮らしをしていれば、
そのままの生活を見せたほうが
良い結果につながるかもしれませんが、
ほとんどの家でそれは難しいはずです。

また、売却を依頼された不動産業者にとっても、
オープンルームによる集客がしやすかったり、
購入希望者を案内する時間の設定が自由になったりして、
空家のほうが有利に営業活動を進めることができます。

「売り先行」でもあらかじめ仮住まいへ
引越しをして空家にすることはできますが、
これから売る家の住宅ローンが残っていれば、
仮住まいの家賃との二重負担になります。

「買い先行」なら
「旧居の住宅ローン+新居の住宅ローン」の二重負担、
「売り先行」なら
「旧居の住宅ローン+仮住まいの家賃」の二重負担ですから、
空家にして売ろうとする場合に
どちらが有利だとは言えませんが…。