5つの視点

【視点1】住環境
戸建ては、土地も建物も自分たちの所有であるのに対し、
マンションは大勢の人々と土地や建物を共有して
住むということを、まず念頭に置きましょう。

共有するからこそ、敷地内に広い緑地が設けられたり、
充実した共用施設を利用できたりしますが、
逆に共有している人たちとの合意が取れないと、
大規模修繕や建て替えを実施することができません。

戸建ては、たとえ庭が小さくても自分達の土地なので、
自由にアレンジができますし、リフォームや建て替えも
自分達の希望する時に実施できます。

【視点2】建物の性能
マンションの場合、上下左右にある住戸の生活音や、
エレベーターの音、廊下を通る人の話し声など、
周囲の音環境が気になるケースもあります。

購入の前に、住戸内だけでなく、自分の家が
マンションのどの位置にあるのか
確認しておくことが大切です。

戸建ては、セキュリティサービスへの加入や
防犯設備の設置など、すべて自分達での整備が
必要なのに対し、マンションは、管理人がいるうえに
オートロック設備が整っていたり、
マンション全体でセキュリティサービスに
加入しているケースも。

ただし、オートロックやセキュリティサービスがあるから
絶対安全という事はありません。

また戸建て・マンション両方ともに
“ご近所の目”の防犯効果は高いので、
良い近隣コミュニケーションをもつことは重要です。

【視点3】将来性
将来リフォームを考えた時、戸建ては、
比較的間取りの自由度が高いので、
自分達の希望を反映しやすくなります。

それに対し、マンションは、規約や建物の制約上、
リフォームできることが限られてきます。

特に水廻りの移動は制限が大きく、また共用部分
(例えば、サッシや玄関ドアなど)は、
原則個人でのリフォームができないので、
注意が必要です。

特に、老後の暮らしまで考えた場合、
戸建ては、庭の手入れや雨戸の開け閉めなどが
大変になる可能性もありますが、
日常的な活動が健康な暮らしを
支えてくれる秘訣になるかもしれません。

マンションはワンフロアなので生活しやすいことが
メリットですが、玄関ドアまでの共用通路はどうか、
住戸内の廊下幅や手すりがつけられるか、などの
チェックが必要です。

【視点4】費用面
家は住みはじめてからも費用がかかります。
戸建ては、メンテナンスやリフォーム費用を、
自分達で計画して積み立てておく必要がありますが、
その金額設定は自由ですし、
万一のときには別の用途に活用することも可能です。

マンションは、入居後から管理費と修繕積立金
所有していれば駐車場や駐輪場代など、
一定のランニングコストが発生します。

修繕積立金は、売却時に返金されるものではないので
注意が必要です。

また、共有施設やサービスがある場合、
その維持管理料も管理費に含まれていることを
忘れないようにしましょう。

自分達に必要な施設やサービスかをよく考えておかないと、
管理費ばかりが高いということになりかねません。

【視点5】利便性
マンションの場合、宅配ボックスや毎日出せるゴミ置き場、
コンシェルジュサービス、共用部分の清掃など、
物件やその規模により内容は異なるものの、
便利な共用施設やサービスが整っていることが多いのが特徴です。

ただ、戸建ての場合、玄関ドアから最寄り駅などへの
所要時間を把握しやすいのに対し、マンション
(特に、大規模マンション)の場合、エントランスまで
歩く時間やエレベーターの待ち時間などにより、
思いのほか時間がかかることもあるので、注意が必要です。

これら5つの視点から、戸建てとマンションの“違い”を見ると、
自分たちの家や暮らしに合うのはどちらなのか、
ということが見えてきませんか?

ただ、100%満足を目指すのは難しいので、
要望に優先順位をつけることも選択する上では大切です。