収支を把握し、金利上昇時の戦略を持っておく

住宅ローンの返済額は収支の範囲内で
設定することが鉄則ですが、そのためには、
家計の収支を把握することが前提です。

例えば、収入から基本生活費などの支出を
引き算した残り(収支)が12万円ある場合、
毎月返済額12万円の住宅ローンを組むのではなく、
家計支出の増加、金利上昇リスクに対応する
余裕を考慮して、例えば7万円の毎月返済額で設定するのです。

当初にこの試算をして組んでおけば、
教育費が2万円増加しても大丈夫、
住宅ローン返済額が1.5万円アップしても
大丈夫などと余裕を持って対応でき、
教育費や住宅ローンの上昇時にもあわてず、
次なる対応策をとることができるのです。

変動金利を選択する方の多くは、
金利が上昇したら固定金利に切り替える」とお話しされますが、
例えば、8万円の収支で7万円の住宅ローンで返済をスタートした場合、
変動金利が1%から2%に上昇したときには、
固定金利は2%から3%に上昇していることが予測され、
借換えようにも8万円の収支の範囲では納まらない、
つまりは、借換え可能な商品がない、ということが想定されます。

いくらあなたが「返せる」と訴えても、
金融機関が「貸さない」と判断すれば、
あなたは変動金利で返し続けるしか方法はありません。

そうならないためにも、返済当初の収支に
余裕のある組み方をし、金利が上昇した場合の
収支への影響を数パターンで試算しておく、
教育費のピーク時期と金利上昇期が重なるなど
最悪期の収支を試算しておく、ことが非常に重要です。

変動金利の魅力を享受し、金利変動のリスクに備えるには、
収支を把握し、「変動金利が何%になったら、
何%の固定金利へ住宅ローンを切り替える」
あるいは「固定金利が何%になったら、
現在の住宅ローンを見直す」など、
具体的な数字を伴った戦略を持って臨む必要があるのです。

備えあれば憂い無し。現在の家計を把握し、
将来の収支と貯蓄を試算しておけば
覚悟も心構えも対応策も出てきます。

現状だけを考えた無理な借入をやめ、
金利が低いという現在の変動金利
メリットを活かすためにも、戦略を持って取り組んでください。